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製品の変遷
2017/07/03

1954年(昭和29年)という年

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当社は1954年2月に丸菱工業(株)として産声を上げ、国産ジャーファーメンターの第1号機をその年の12月に完成、納品した。(図1)

ちょうどその年、私たちのように培養装置に携わる者にとっては、大変有難い象徴的な報告集がイタリア、ローマで発行された。図2は、その報告集の表紙である。そのタイトルは、何と"Special number on pilot plant techniques of submerged fermentation"である。その発行序文には、「Institute Superiore di Sanitaで行なわれている様々な研究活動の成果が、この分野に関心がある多くの人々に容易に活用されるように英語版を発行することが望まれた。」とある。

ローマの研究所での成果がグローバルに活用されるようになった幕開けである。挙がっている微生物名はPenicillum crysogenumとEscherichia coliだけである。今日の通気攪拌型好気発酵槽の基本形が作られていく過程、ロータリーシェーカーの原型がデザインされるなど、当時の深部培養に対する装置面からの熱心な取組の息吹が感じられ大変興味深い。

今日では当たり前となっている酸素電極の原型すら登場していない時代に、回転式裸白金電極を用いて醗酵槽内酸素の拡散を既に測定していたことにも驚かされる。(図3)

図1

図1

図2

図2

図3

図3